綿花生産の後期技術の要点

Yunhe - 綿花生産の後期技術の要点

Ⅰ. 北西内陸地域の綿花生産

北西内陸地域の綿花の初期および中期の生育プロセスは例年に比べて著しく早く進み、初期の綿花鈴(ぼたん)の比率が高くなっています。7月下旬までにはほとんどの綿花畑が満開になり、8月初旬には一部の畑で綿花の開絮(かいじょ)が見られ、今年の豊作の基礎が築かれました。後期の重点は圃場管理を強化し、収穫の質を向上させることです。

  1. 後期の水と肥料の管理を強化する: 後期には、滴灌(てきかん)および施肥を2~3回行い、施肥量は1ムー(約0.067ヘクタール)あたり30~40kgとします。適切な時期に給水を停止し、早すぎたり遅すぎたりすると、綿花鈴の発育と集中開絮に悪影響を与えます。北疆(ほくきょう)と甘粛(かんしゅく)では8月下旬に給水を停止し、南疆(なんきょう)では8月下旬から9月初旬に停止します。後期の圃場の土壌保持水分を約60%に維持し、綿実(めんじつ)や綿繊維の十分な発育成熟を確保し、綿花鈴の重量を増加させ、綿花の早期老化を防ぎます。

  2. 病害虫の防除を強化する: 後期の重点は、綿花鈴虫とハダニの防除であり、環境に優しい防除技術を採用し、薬剤を交互に使用してハダニの局地的な発生と綿花鈴虫の被害を防ぎます。

  3. 落葉促進と早期成熟を図る: 「開絮率を待たず、時期に応じて散布」を原則とし、落葉促進剤と早期成熟剤の散布時期を決定します。通常、開絮率が40%に達したときに、風のない晴れた日、気温が20℃以上の条件で散布を行います。開絮が遅い圃場では、北疆では8月下旬から9月初旬に、南疆では9月10日~15日に散布し、落葉率92%以上、開絮率95%以上を確保し、集中機械収穫を実施します。

  4. 収穫の質を向上させる: 機械収穫前には、圃場の滴灌設備、雑草、残留フィルムなどを整理し、綿花摘み取り機を消防設備で装備し、喫煙や火の使用を厳禁します。機械収穫は正午12時以降に行い、綿花の含水率を12%未満にし、収穫率を93%以上に確保します。夜間収穫、露を帯びた綿花の収穫、散水収穫など、綿花の質に深刻な影響を与える機械収穫は避けます。

Ⅱ. 黄河流域の綿花生産

今年、黄河流域の綿花は例年よりも早く発育し、初期の綿花鈴が多く形成されました。多くの圃場で綿花の開絮が見られ、植物の中・下部の綿花鈴が高い着鈴率を示し、上部の秋鈴の着鈴率は比較的低くなっています。後期の重点は、洪水害や腐敗鈴、害虫などの発生を防ぐための圃場管理と収穫です。

  1. 洪水害の予防: 大雨によって綿花畑に水がたまった場合は、すぐに排水を行います。排水後は速やかに倒伏した綿花株を起こし、株を整列させ、圃場の水分蒸発を促進します。

  2. 腐敗鈴の予防: 下部の開絮した綿花を早期に収穫し、後期の降雨による綿花の品質への影響を防ぎます。連続した曇りや雨の天気に遭遇した場合、株を整列させ、圃場の通風と光透過を増やし、腐敗鈴の発生を防ぎます。

  3. 害虫の防除: 後期の主要な害虫は、綿花盲虫(めんかもうちゅう)と煙霧虫(えんむちゅう)です。綿花盲虫にはフルアミド類の薬剤を使用し、5~7日間隔で2回連続散布します。煙霧虫にはチアメトキサムやアセタミプリドを散布します。広大な圃場においては、薬剤散布のタイミングを統一し、外周から内側に向かって散布し、害虫の飛散を防ぎます。

  4. 早期成熟と収穫を図る: 手摘み綿花畑では、9月下旬から10月上旬の気温が20℃を超えるときにエチホン液剤を散布し、早期成熟を図ります。異物混入を防ぐため、綿帽子、綿袋、綿紐などの白色布製品を使用し、収穫後はすぐに倉庫に保管し、乾燥工程での汚染を減らします。摘み取った綿花の含水率が12%を超える場合は、乾燥を行います。機械収穫の圃場では、9月下旬の気温が20℃を超えるときにチアジアゾン粉剤+エチホン液剤を散布し、10月中旬から下旬にかけて機械で収穫を行います。

Ⅲ. 長江流域の綿花生産

8月中下旬、長江流域では高温と干ばつが続き、綿花の中上部での蕾(つぼみ)や鈴(ぼたん)の落下が顕著でした。現在の圃場管理の重点は、灌水(かんすい)による干ばつ対策、鈴の保持と重量増加、化学的制御の強化です。

  1. 適時の灌水と施肥: 地表にひび割れが見られる圃場では、条件に応じて溝灌(こうかん)やスプリンクラー灌水、滴灌方式を選び、溝灌時には畝の上を水浸しにしないようにします。葉面肥料として、リン酸二水素カリウムや微量元素を含む水溶性肥料を散布し、開花・着鈴を促進し、落下を減らし、光合成能力を向上させ、鈴の重量を増やします。

  2. 化学的制御の強化: 綿花株が「丈夫で旺盛になりすぎず、着実に生長する」ことを目標に、科学的な化学調整を行います。生長が明らかに旺盛で、密度が高く、葉陰が濃い圃場では、すぐにメピクワットクロライドを施用し、施用回数と用量を適宜増やして通風と光の透過を改善し、着鈴率を向上させ、腐敗鈴の発生を減少させます。

  3. 病害虫防除の強化: 後期の主な害虫は、綿花盲虫、綿花鈴虫、煙霧虫などです。綿花盲虫は通常、早朝と夕方に活動が活発になるため、8時前と18時以降に防除を行うと効果的です。外側から内側へ噴霧し、アバメクチンやマラチオンを使用します。綿花鈴虫には、有機リン系やカルバミン酸エステル系の農薬を輪番で使用します。煙霧虫にはビフェントリンを用いた航空防除を行います。

  4. 早期成熟と収穫を図る: 手摘み綿花畑では、10月中旬に3~5日間連続して日中最高気温が20℃を超えるときにエチホン液剤を散布し、早期成熟を図ります。綿花株の上部と下部に均等に薬剤を散布し、薬剤を調合してからすぐに使用します。散布後8時間以内に降雨があった場合は、雨後に再散布します。雨や露を含む綿花や殻を摘み取らず、帽子や綿布袋を用いて収穫、保管、輸送を行い、「三糸(さんし)」汚染を防止します。機械収穫の圃場では、自然開絮率が40%以上に達したときにチアジアゾン粉剤+エチホン液剤を散布し、15~20日後に収穫を行います。

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公開日 2024-09-06, 更新日 2024-10-04